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逃亡日記-其の弐
「ジンバラン」5月17日(土)
バリでの初日の朝。

いい天気です。いくら熱帯地域とはいえ、朝夜は過ごしやすい。
ゆえにバリではまだ涼しい朝早くから街が動き出す。
本日の予定は彼女の踊りの稽古とガムランの稽古にご一緒する。昨年同様。
で、夕方より同じ日本人留学生の方とジンバランに赴き、魚介をかっ食らう予定。
まずはバイクにて踊りの先生のお宅に向かう。
先生には自分が来ることは事前に伝えていなかったのこと。
さぞ驚くでしょう。先生。
バイクで走ること約20~30分。先生宅に到着。
何も聞かされてなかった先生は少しびっくりした様子。
先生とも1年ぶりの再会。相変わらず元気そうでよかった。
先生はかわいらしい人です。しかし稽古が始まると、この指導が熱いこと。。。
軽く挨拶を交わした後、彼女の踊りの稽古が始まる。
自分は後ろでその様子をぼんやり眺めたり、ケータイでムービーを撮ってたり。
この先生には女の子と男の子のお子様がおられます。女の子がお姉さん。男の子が弟。
女の子の方はどうやら自分のことを覚えていた様子。昨年写真撮らせてもらったからね。
下の男の子は稽古場と家の中をクラッカー片手に行ったり来たりしてる。
見慣れぬガイヂンに興味深々。

この日はちょっかい出すことはなかった。お互い様子見。。。
次回やってきたときになつかれることになる。
そうしてぼんやりしてるときに、先生の家から見えた景色でひとつ気になる風景が見えた。
写真では臨場感に欠けるのだが、実際見るとすごく背の高い大木が見えた。

日本でも大木にしめ縄掛けたりしてるけど、ここバリでも同じようなアニミズム的なことがあるということ。こういう大木には周りを囲って(大抵白黒チェック柄の布が巻かれてたりする)いたりして、お供え物が置いてあったりします。
さて、
彼女の稽古が終盤に差し掛かってきたとき、入り口から一人、次の稽古の人が入ってきた。日本人女性です。東京からこられた方で、ド短期で今回はこられてるようで、自分の滞在期間より短い日程でこられてるとのこと。その人としばし世間話をする。
やがて彼女の稽古が終わり、先生たちとしばし談笑。日本から持参した和柄の髪留めを先生と娘さんにプレゼントしてその場を後にする。
続いてガムランの稽古にお供する。
さて、ここの先生。結構「変」なおっちゃん。
日本を発つ前に彼女より「ボラギノール」を買ってくるように言われる。
何でもこの先生、痔主ということで、自分が来ると知ったとき、それを買ってきて欲しいとリクエストされたということ。しかし、彼女がお世話になってる先生へのお土産がまさか「ボラギノール」だとは。。。
関空で購入したのだが、恥ずかしかったことこの上ない。しかもレジの姉さん、若くて結構可愛かった。「いや!僕じゃないですよ!人に頼まれたのよ!かくかくしかぢか・・・!」と力説明したかった。
ともあれ、この先生のお宅に到着する。自分の姿を見るや否や、やらしい笑顔を浮かべてた。「ははー。来やがったかー」みたいな。
この先公(失礼。「先生」です)とも1年ぶりの再会。握手を交わして、いざ彼女のガムランの稽古が始まる。
昨年は太鼓の稽古を見物。今年はガムラン。
やはりガムランの音は脳に直接くる。
途中でものすごく眠くなり、とても気持ちよくなる。
何度も眠りそうになる自分を無理やりたたき起こし続ける。
しかし立派なものです。あれだけ複雑で、長い曲をよくも覚えられるなと我が彼女とはいえ、さすがに舌を巻いた。たいしたものです。踊りにしてもガムランにしても、ド素人の自分からしたら「なんでそんなことできるの?」と驚くばかり。でもそれがプロというものなのだと実感した。やつは十分プロになってる。と思う。
で、稽古の休憩になる。休憩時間、毎度おやつを出していただくのだが、昨年来たときはバナナの天ぷらを出していただいて、対応に苦慮した経験があるだけに今回はどうなることやらちょっと困ってた。
でも今回はあのバナナの天ぷらじゃなかった。イモの何だかよくわからないおやつを出していただいた。
ちょうどお昼前で小腹が空いていたのでおいしくいただいた。
しばしの休憩の後、再び稽古が始まる。自分はまたしても眠気との戦い。
もうだめだ。寝る。と限界を感じ始めたとき、稽古が終わった。
自分はすっかりα波に満たされてる。
そしてその場を後にして、彼女の下宿に帰る。
あとはジンバランに行って魚介をかっ食らうのみ。すごく楽しみにしていた。
ジンバランという場所は自分にとっても非常に思い出深い場所。
再びそこに行けるということだけでうれしかった。
出立までにまだ時間があったので、それまでの間ごろごろしていた。やっぱしガムランの音を直で聞くと堪える。頭の中に心地よいガムランの音の残響がずっと残ってた。
やがて時間が来て、日本人留学生の女の子が彼女の下宿にやってきた。
その子とは初対面だった。「どーも初めましてー」と挨拶して世間話。
その後バイクで一路ジンバランへ。
走ること30分ほど。
細い路地を抜けたところで眼前に海が広がる。

ずっと前に来たときとは違う場所だったけれど、久しぶりのジンバラン。
7年前の光景が目に浮かぶ。
ここは、簡単に言うと、何軒かの魚屋が軒を連ねていて、その魚屋で魚介をチョイスする。
するとその魚介を焼いて海岸のテーブルまで持ってきてくれるというもの。
自分は海老をチョイスした。
そして海岸に並べてあるテーブルにつき、調理された魚介たちが来るのを待つ。
やがて焼きあがった魚介たちが運ばれてきた。

あまりに美味しそうだったのでカメラを持つ手が震えてしまった。。。
実際食してもごっつウマかった。みんな夢中に無言で魚介をかっ食らっていた。
しかしこのビーチサイドにおいてもやはり目立つのは中国人旅行客。
昨年にも増して中国人の旅行客は増えている。
昨年も感じたことだが、やはり彼らはマナーが悪い。周りの迷惑顧みずに大騒ぎしている。
せっかくの美しい景色が台無しになるくらい。
まだ日の残ってるうちはその中国人観光客がたくさん占めていたのだが、やがて日が落ちてあたりが暗くなるころになると彼らの姿は急に少なくなってきた。おそらくツアーの団体たちばかりだったのだろう。
しかしその代わりに今度は欧米人たちがそのほとんどを占めるようになっていた。
しかも、ある程度お年を召したご夫婦と思しきカップルが多い。
欧米人のこういうライフスタイルは素敵だと思う。
年を取っても夫婦で薄明かりの中寄り添って語り合ってる様子は素晴らしいなと思わされた。テーブルにはワインボトルとかあってさ。
欧米人ってやはりバカンスというものに対する時間の使い方や考え方、目的などが我々のそれとまったく異なるし、我々よりもすごく長けているように思う。野球とベースボールは違うというのと同じようにバカンスといってもその持つ意味合いが我々とは全く異なるように思えて仕方ない。
それは後に滞在するサヌールでも実感することとなる。
やがて辺りは真っ暗になり、各テーブルのローソクの明かりだけになる。黒い海が眼前に展開している。ここは空港が近いため次々と着陸してくる飛行機の明かりがキレイです。加えてジェットエンジンの音。
向こうの魚介を焼いている場所では恐ろしいくらいの魚介を焼く煙が立ち込めていて空は真っ白。
気がつけば数ヶ月悩まされていた手の震えがなくなっていた。スープを飲むときに気がついた。
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