初!海外単独渡航日記(9)

バリ兄貴に連れて行かれた民家は、ホントに田舎のお家でした。
きったなくて、ぼろぼろで。
で、奥に入っていくと、なんだか座敷みたいなところがあって、そこに黒くて濃い~4~5人の現地人がしゃべってた。
よくと見ると、みんな腕にいかつい彫り物が!
おいおい!にいさんよお。ワシをこんなところに連れ込んで何しようというんだよ~。
多少ビビリながらそこの中に突入。
兄貴がワシを紹介してる。
「はにゃはにゃはにゃは~(←だから言葉わかんねえっつうの)」
「(一同)おお~~~~」
あ、兄貴。。。一体どういう紹介したんだよ。。
早速現地人たちが話しかけてくる。
「え~~っと。。何?なんて?わ、わからんがな。。。いや~はっはっはっ!」と自分。

ふと背中になにやら人の気配が。
振り向くとおじいちゃんが立ってた。
微笑みながら何かを話しかけてくる。挙句の果ては握手を求められる。
「あ、ああ。。俺、日本からきてん。。。あわわ。」と返す。
しかしこのおじいちゃん。
明らかに様子が変だ。
な、何この人~。とちびりそうになり、みんなの方を向くと一人の若造が
「ちょっとおかしい人やねん」とばかりにジェスチャーしてる。
あ。。。ああ。。にゃるほどね。。。
「や、やあ。。。ありがとね。うんうん。」
何がありがとうだ。とっさに出たワシの言葉は意味がわからん。
じいちゃんはぶつぶつ言いながらご機嫌さんで去っていった。
でも向こうのほうでベンチに腰掛けてこっちっみながらにたにたしてる。
ま、まあ気にしないようにしよ。。。

と、そこへ兄貴が
「バリの酒飲んだことあるか?」と聞いてくる。
「いや、あれへん。そんなんあったんや。」と答えるとなんだかバヤリースのビンみたいなやつを目の前に置かれた。色もオレンジ色だし。なんじゃこら?
「これがバリの酒やねん。木から作ってるんだよ」と兄貴は庭先を指差していった。あの木が原料だって。そこにはいかにも南国っぽい木があった。
ほえ~!木からも酒つくれるんや。とちょっと感動。まあ、芋から酒できるくらいやからね~。
しっかし、このバヤリースモドキのビン。きったないことこの上ない。
いくら自家製だとしても、酒詰める前にちゃんと洗おうよ~。
目の前に置かれたグラスもこれまたきったない。これって洗ってもこの汚さかもしれない。ぼろぼろやん!
まあええわい!と覚悟をきめてまず一口。
飲む瞬間、「くさっ!」。ちょっとドクトクのくさいにほひが。。。
味は。。「あら。ジュースみたい。ああ、おいしいおいしい。」と一気にグラスに入っていたやつを飲み干す。間髪いれずに現地人たちがついでくれる。
へえ~。いけるやん!と、そこへ兄貴が。。。
それアルコール40%だよ。って。
ほげえ~。うそやん!この軽い口当たり!ぜんぜんアルコールの香りしないよ。そないにアルコール高くないっしょ~。絶対うそや~。自家製だもんと決め込んだ自分が馬鹿だった。

ほどなくしていい気分になってきた。確かにアルコールは入ってるようだ。しかし、まだまだ酔いが浅いぜ!まだまだいくわよーん、とがんがんいってしまう。
現地人と盛り上がる。いい感じになってきた!みんなイイヤツ!サイコー!さあ、飲もうぜ!といっぱいみんなと乾杯した。
そのときバリ兄貴がいったこと。
ここにいるやつらは実は伝統音楽やってたり、(バリ舞踊の)踊り手だったりするということ。

う、うそ。。。この小汚い(←失言)連中が。。。

ワシの隣にいたポンという名の太っちょはちょうど少林サッカーにでてきた軽功の使い手だったデブに良く似てる。結局こいつと一番盛り上がってたわけだが、実は彼はISI(インドネシア国立芸術大学デンパサール校)の舞踊科の学生だということが判明した。

酔いが一瞬さめる。

わしの前にいた、どう見てもお前30とっくに過ぎてるやろ~という風情の持ち主も同じくデブ君と同じ大学、同じ舞踊科。両者とも年は21歳。若いがな!

すると、隅っこに座ってたダンディーな彼がそこに置いてあった楽器(竹の木琴みたいなやつ)をこんこんやり始めた。彼はガムラン隊の一員だと。。。

ワシ固まる。見事な演奏だ。。

するとポンの横に座ってた引き締まった兄ちゃんが座りながらではあるが、踊り始めた。。。。バリ舞踊だ。。。

ワシ。お口ぽっか~ん。。。

バリ兄貴、にやにやしてる。
な!なんで~!と興奮して聞くと、聞くとだな。
バリ兄貴(実は彼もインドネシア国立芸術大学デンパサール校の舞踊科を優秀な成績で中退してる)は今師範になるための学校に通ってる。彼自身インターナショナルガイドの資格を持ってたり、また踊りのオファーとかがあったりしてあちこちで踊ってたりする。立派な舞踊家さんである。
なにせ小学校4年のときからずっと踊りやってきてるんだって(今兄貴40歳ね)。

で、地方巡業するときのメンバーがここにいるこの小汚い(←ごめん)連中だと。
その連中に稽古つけてるのがバリ兄貴だと!みんな兄貴をすごく尊敬してるってよ!

兄貴。。あんたなんて人だい。。単に関西弁しゃべる、人のいい踊るバリ人じゃなかったのね。。。兄貴!スンマセン!ありがたくおいしくお酒頂いております!

兄貴にワシ聞く。
「ワシこういうとこってめっちゃ好きやねん。わかっててここにつれてきたん?」
兄貴「うん。キウチこういうとこ好きやろ?」って。
いや。まいった。泣きそうなりましたよ。うれしくって。ええとこ連れてきてくれて。。。
ワシはうれしい。ありがとう!ホンマにありがとう!

さ~~~~!!張り切って飲むぞ~!

目の前に今度はビールビンが置かれた。お~!ビールじゃん!ワシの大好物!早速いただきま~す!

と、ビンの栓を開ける。

ん?おかしくないかい?ビン栓ってこんなに簡単に開けられるもんかい?ワシ栓抜きなしで開けてしまった。酔いが回ってバカヂカラが出たのかな?まあいいや!

と、

一気にぐびぐび飲んでしまった。
みんなちょっと慌ててる。

味がビールじゃない。明らかにきっついアルコールの味。

酒だった。

結構キツめの酒だった。ビールと思い半分くらい一気してしまった。

ほげえ~~~!おえっ!う~~~~~。うヴぇ~。
マジ死ぬかと思った。。。ビール瓶に酒入れてんじゃね~よお~~~。ワシビールや思て一気に飲んじゃったよ~!

でも大丈夫!まだまだいけるで~。と今度はグラス2つ並べてのみ比べ大会。

宴は盛り上がる。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

気がつけばワシ夢の中。酔っ払ってちょいと小眠りしてしまった。日が傾いてきてる。
目を覚まし、体を起こす。。

が、

回る回る回る。回る回る回る回る回る回る回る回る回る回る回る回る~。
おうえ~!気持ち悪い!ヴぉえ~!!!やヴぁい!!こりゃやヴぁい!
猛烈に吐き気を催し、席を離れ、庭の隅っこへ。
ポンがすごくかいがいしく介抱してくれた。ホンマお前いいやつやな~。ありがとうな~、とぐらぐらなりながら「ヴぉえ~~~~~~」とやってしまった。

も、もうだいじょうぶやから。。。ごめんな~。と席へもどり、小眠り体制。

が、

横になったとたん、ものすごいヴぉえ~の第2波が。。。。。
あ!あがん!あがん!あがんがな!
と座敷を降りる。。。。そのとき、コケた。天井が見えた。。。豪快にコケてしもた。
またしてもポン(ホンマエエヤツヤ~)が介抱してくれる。
ひざを強打。擦り剥きのおまけ付。しかし!酔ってるため痛みはさほど感じずにすんだ。

最大級のヴぉえ~を行う。逆さに振っても鼻血もでないくらい。
ワシの傾向。あらかたヴぉえ~してしまったら結構楽になれる。
ひたすら胃袋が気持ち悪いってだけ。

しかし!やはりアルコール40%はほんとだった。恐ろしいくらいの眠気に襲われ、またしても夢の世界に突入。

約1時間後目が覚める。そのとき、何故かワシ、葉っぱで包まれた大きめの中華チマキみたいなモノを抱きしめてた。
なんだ?これ?なんでオレこんなもん抱きしめてたんやろ???
一瞬わからんかったが、ん?なんとなく記憶がある。あれは夢じゃなかったのね?酔っ払って夢の世界と現実との境目があいまいになっていた。
それはワシのためにそのおうちの人が出してくれた夕飯だった。
目の前に置かれたことは覚えてる。
まどろんでるワシは無意識のうちにそれを抱きしめて寝てたのね?
なんか。。。うれしいよ~。夕飯出してくれたなんて~。ほんとうれしいよ~。
でも、でもね。
胃が気持ち悪くって食べたいけど、食べられない。。。。ほんとごめんね。
と、そのとき、ずっと楽器を演奏していたダンディー君が「オレがもらう」といってきた。
ってことはだね。。。それってワシのためだけに用意してくれたもの?
その彼は食べてなかった。なんてこったい。。。。うれしいよ~。ワシのために。。。
としみじみしてるうちに彼がその包みをあけて食べ始めた。
ワシはしみじみ感動してたわけだが、そのとき、彼が言ったこと、

「これ、ちょっと腐ってるな。」(兄貴訳)

そう言いつつもガツガツ食べている。ついには平然と完食する。

・・・・・・・・・・たくましい。強い。

ち、ちょっとトイレいってこよ。。。といってもトイレって、庭の隅っこに立ち小便。それがトイレ。。。。
座敷に帰ってくるとき、ワシは

「うを~っ!復活~~~~!」と雄たけびあげてみんなにアピール。が、明らかに無理してる。自分が一番よくわかってる。
おお~!とみな言うが、顔ぶれが半分くらい変わってた。あ、ポンはいたけどね。

で、宴席に復活。微妙に気持ち悪い。
ポンが片言英語で話しかけてくれる。
しばしのコミュニケーション。

バリ兄貴が「彼女が日本行きたいって」といってひとりの少女(13~14歳かな?)を指差した。
彼女はそのおうちの娘さんみたいで、皆にお酒を出したり、かいがいしくお世話をしていた。すごくいい娘だよ~。見た目もかわいらしい顔立ちしてます。
ごめんね~アユ(って彼女の名前)。今の今まで全く存在に気がついてなかったよ~。
ワシがおいでおいで~って手招きをする。
が、
恥ずかしがって近寄ってこない。
その様子がめちゃくちゃかわいい。
いいからおいでよ~っていっても恥らいながらイヤイヤして物陰に隠れるんです。
ホントにかわいらしい娘さんでした。日本から来た変な日本人に興味深々な様子が痛いほどよくわかる。物陰から星飛雄馬の姉、アキコネエちゃんばりにこっそりこっち見てる。
やがて少しづつ近づいてきた。
んで、ワシがいったこと
「日本に来たいって~?やめといたほうがいいよ~。日本は窮屈やで。」
といったときバリ兄貴がうんうんとうなずいていた。
アユの頭をなでなでして「がんばれよ~」と言い放ち、ワシは再び宴にもどった。

しばしの後、

なぜかワシはそのアユの学校の宿題の英語の問題をバリ兄貴と一緒に解いていたりする。
しかも兄貴とケンケンガクガク。これはこうとちゃうか~?いやでもこれこれこうやからな~。こっちやで!とか。え?でも、これってマイク・タイソンやんなあ~?とか。。。
タイソンがネタの英語問題でした。
しかしいつの間によその国の宿題をせないかん羽目になったか。。。。う~ん。謎だぞ。はっきり覚えてない。

彼女にとってまったく役に立たない宿題ヘルパーであったことは間違いなかろうて。

さて夜も更けた。帰ることに。
みなと硬く握手を交わしホテルにもどる。
しかし、異国でつぶれてしまうとは。つぶれたことも何年ぶりか。
でも楽しかった。貴重な体験をさせてもらったバリにぃに感謝しつつも、
明日が怖くなる。きっと二日酔いで動けんだろうな~。
そう、ここはバリ。
「ウコンのチカラ」という神の水があるはずもない。
わしゃ一体なにやってんねんと落ち込みつつ、なんだかんだあってホテルに着いたのが午後2時。
そのまま風呂にもはいらず、泥のように眠りにつく。
異国にて ここでも変わらず 呑んだくれ
おそまつ

Auther : Kiuchidenki / Date: 2006.09.15. 18:56 / Comment(0) / TruckBack(0) / ▲UP

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