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長々と書き綴ってしまいました。
終わってみれば11話。
いっちょまえに編集後記なんて気取ってみる。
さて、自分は海外旅行したのは人生においてたった2度だけ。
5年前にバリ。そして今回もバリ。
ちなみに自分はバリフリークでも何でもありません。
たまたま行ったところがバリってだけです。
しかし5年前に行ったとき、そして今回と、
明らかに自分のものの見方、感じ方が変わってるのが実感できました。
あのときから5年。
それなりに月日を生きてきたのだと。
それなりに年を取ったのだと感じたのでした。
自分の人生においてもちょうどこの5年間ほど様々なことがあり、生き方が大きく方向転換したことはありませんでした。
最初にバリに行った時は8年間勤めていた会社を辞め、これから普通のサラリーマンとは全く異なるモノづくりの世界に飛び込もうとしていたときでした。初々しい時代。
それまでは、一応大きな会社に属していたんで、何か大きなチカラに守られていたわけだし、正直、ぼ~っとしててもお金は入ってくる。しかも実家生活だったし、家に帰れば暖かい飯があり、掃除も洗濯もオートメーション。
そういう甘い生活にいたおかげで自分の感性、思考が中途半端というか、まだまだ甘かったと実感できます。
そしてその後、自分は家を出て一人暮らし。自分の手で直接作ったものがそのまま商品になってしまう現実。家賃、光熱費、その他もろもろ。全て自分に降りかかってくる。
ぬるま湯から丸裸に。自分の身は自分で守らなきゃいけない。生きるか?死ぬか?本当に生きていくってことは難しく、とても厳しい。
その結果、全身の感覚が5年前より幾分鋭くなったのでは?と自分では思うのです。
それなりに自分のライフスタイルというものを少しづつでも構築してきたのでは?
前回と今回、感じ方が変わったように思えた原因はそういう理由からではないかと勝手に推測します。
気取りすぎっすか?ナルシストちゃん?
かもしれませんなあ。。。
まあ、笑ってやってください。
ついに最終日の朝。
日が変わってすぐの12時10分に日本に帰る。
たった5日間だったにもかかわらず順応が早いというか、空気が合っていたというか。
最後には自分のクソを自分の手で流すのにもさほど抵抗がなくなってたりする。
バスルームのどぶ臭さは結局ダメだったけど。
考えりゃ日本はほんとに便利な国だ。
深夜に急遽ボールペンが欲しくなったとしても日本ならちょいとコンビニ行きゃあるわけで、そのついでにおにぎり買っちゃったりできるわけで。
ここバリ(に限らず発展途上と呼ばれるところ)はやはり生命力で動いてる。
日本では何だか巨大なマシンの中で生きてる。それを支えてるのは生命じゃないか?ってツッコミが入るかもしれないが、それはほっといて。そんな感がありますな。
どちらがいいとか悪いとか、ここで陳腐な比較文化論を語るのは馬鹿げてる。
結局自分にとって肝心なことは、
比較してズレを認識し、そのズレから自らの人生の舵取りをいかにしていくか、自分のライフスタイルについて考えたり、どう生きていくか?なんてことを考える材料とするのが最善と思うんです。
単に2つを比較して、それぞれの特徴を述べ合うだけでは何一つ得られるものはない。
いくらバリでの生活が楽しくても、心地よくても、自分は結局日本に帰るわけだし、日本で生きていきたいと思ってる。移住するなんて考えてもいない。あくまで自分の生活の中心はここ日本にあるわけだし、日本人としての誇り、すばらしい感性を持っているこの国の民としてここで生きていく。
ほんとにこの5日間は自分にとっては非常に充実したものであった。
今後この国の中でいかに自分自身を見失わず、何を大切にしつつ、自分の何を磨いて生きていくか、などということを考える上で相当考えさせられた5日間でした。
「じゃ、この旅で何を得た?」と聞かれたとしたら正直「わかりません」って答えるしかない。ただ、何かが心に得られたと確信してるし、それを言葉に出してあげることなんてやりだしたらきりがないかもしれない。何がしかが心のデータベースに蓄積されていて、それが今後の人生歩んでいくうちに発生する様々な局面において必要とあればそれらが活躍してくれるであろうと信じている。
システムから抜け出し、違うシステムに入ることに快感はある。それはある意味現実逃避であり、後ろめたさのない、前向きな逃亡のようです。明日から元いたシステムに戻るということはその心地よい逃亡の快感とさよならすることになるから当然寂しさを感じないわけにはいかない。
朝です。
今日もバイクの音で目が覚める。
前日、酒におぼれ、ものの見事にリバース天国を演じたワシ。
2日目はきっと体にくる!と確信していたが、いざ起きてみるとこれがまったく酒が残っていない。ちょいとだるいだけでほぼ大丈夫だった。
おお!なんてこったい!あの酒は焼酎か?それともこれはバリパワーか?不思議な力がワシの胃袋を直してくれたのか?神様ありがとう!
とにもかくにも酒が残っていなかったことに気を良くしたワシは朝食の粉まぶしナシゴレンもどきへんてこゴハンはぺろりんと平らげ、食後のコーヒーを飲みながら気取っておった。
気がつけばこの安上がりの朝食もいつしか癖になってしまってる。
次の日はついに帰国。これが食べられなくなることに一抹の悲しさを感じる。。。。
すっかりおもひでの味となってしまったこの朝食。
さてさて、本日はお買い物の日でございます。
買い物ということは。。。
「変な日本語Tシャツを見つけるぞ!りべんじ!」を実行するとき。
婦人服売り場を血眼になって頑張ってた恥を今こそ挽回するとき。
朝から武者奮い。燃える男キウチデンキ。
いざスーパーへ向かって歩き出す。
歩く歩く歩く。
遠い。
結構遠い。
気力が減退する。
いかんいかん。ここは気晴らしに写真でも撮ろう。


なんてことで気持ちを盛り上げながら「ラーマ・ヤナ」に到着。
紳士服売り場へ殴りこむ。
まるでいきり立ったなまはげのごとく、激しく変な日本語Tシャツの捜索を開始。
しかし、やたらめったら服が多い。しかしここでめげてはいけない!何が何でも変な日本語Tシャツを探してやる!
そんな気持ちで格闘すること約30分。自分の目に一筋の光が飛び込んできた。
バリ兄貴に連れて行かれた民家は、ホントに田舎のお家でした。
きったなくて、ぼろぼろで。
で、奥に入っていくと、なんだか座敷みたいなところがあって、そこに黒くて濃い~4~5人の現地人がしゃべってた。
よくと見ると、みんな腕にいかつい彫り物が!
おいおい!にいさんよお。ワシをこんなところに連れ込んで何しようというんだよ~。
多少ビビリながらそこの中に突入。
兄貴がワシを紹介してる。
「はにゃはにゃはにゃは~(←だから言葉わかんねえっつうの)」
「(一同)おお~~~~」
あ、兄貴。。。一体どういう紹介したんだよ。。
早速現地人たちが話しかけてくる。
「え~~っと。。何?なんて?わ、わからんがな。。。いや~はっはっはっ!」と自分。
ふと背中になにやら人の気配が。
振り向くとおじいちゃんが立ってた。
微笑みながら何かを話しかけてくる。挙句の果ては握手を求められる。
「あ、ああ。。俺、日本からきてん。。。あわわ。」と返す。
しかしこのおじいちゃん。
明らかに様子が変だ。
な、何この人~。とちびりそうになり、みんなの方を向くと一人の若造が
「ちょっとおかしい人やねん」とばかりにジェスチャーしてる。
あ。。。ああ。。にゃるほどね。。。
「や、やあ。。。ありがとね。うんうん。」
何がありがとうだ。とっさに出たワシの言葉は意味がわからん。
じいちゃんはぶつぶつ言いながらご機嫌さんで去っていった。
でも向こうのほうでベンチに腰掛けてこっちっみながらにたにたしてる。
ま、まあ気にしないようにしよ。。。
3日目の朝。
今日もナシゴレンの素まぶしご飯を食べる。
今日はバリの兄貴(と自分が勝手にそう思ってるネイティブバリ人)と会う。
昼ごろにわざわざホテルまで来てくれるということで待っていた。
遠いところわざわざ来てくれるなんて、ホントいいやつ!
さてお昼過ぎホテルの壁の向こうにそれらしき人物が見えた!
お~!久しぶり~!
と熱く固い握手を交わす。
彼は関西弁しゃべるバリ人なのね。
しばし彼と話をし、その日予定が無かったワシは彼の家に招待されることになった。
車に乗り込み移動する。
メシでも食いにいこか~。ということになり、ほんと地元民しか来ないような店に行く。
バビグリン屋さんだ!
きゃ~感動!って毎日食ってるだろうが。。。
でも大好物だからうれしいことこの上ない。
席に着くと水の入ったボールがでてきた。
手で食うから洗うためね。
ちなみに左手は「不浄の手」だから使っちゃいけないのだ!(知ったかぶり)
その店、野良犬みたいな犬が2匹いて、うろうろしてる。
テーブルに人がついてるとそこにいっておねだりをしている。
ワシのところにも一匹の白い犬がやってきた。ワシは大の犬好き。
「いい子やね~。でもあげへんで~」と意地悪に語りかけながら「不浄の手」でなごなごしてやった。
はたと気づいた。
この子。。。
ものすごく切ない目でワシを見てるの。
今にもその犬の目から涙がつ~~~と落ちそうなくらい切ない表情でじっとお座りして見つめてるのよ。
ちょうだい。。。おねがいします。。。といわんばかりの、いやあの犬は明らかに「ごはんほしいの。。。もう何日も何も食べてないの。お願い。ちょうだい?」と言ってる。間違いない。
ご、ごめんな~。おすそ分けしてあげたいのはやまやまだよ~。でも、でもね、こんな辛いもの君が食べたら君の体に良くないからだめなんだよ~。う。。。う。。。
こっちまでもらい泣きしてしまいそうだったわ。まったく!
お昼寝。
まどろみ。
ああ、心地よい。
オイラはお昼寝が大好きなのさ。
でも
けたたましいバイクサウンドたちに起こされた。。。
ん?何時だ?おお!3時だ!ワシは結局3時間ほど寝込んでしまった。
いかん!いかん!バリまで来ててワシは何やってる。時間がもったいない。早速出かけよう!
あたふたと準備をする。
カメラオッケー、ipodオッケー、お金オッケー。よし!いざ出陣。
ホテルを出てアテもなく歩き出す。
ここいらで曲がってみよう。とよくわからん路に入っていく。
てくてく歩いていく。
さて音楽の登場だ。ご自慢のipodを起動する。
起動する。
あれ、
左耳「しゃかしゃかしゃかしゃか。。。」、右耳「。。。。。。。。」
あれ?どした?
ヘッドフォンの付け根をいじいじしてみる。
右耳「。。。。。。。。。」
あ、
壊れてる。
断線してる。
うそやん!出発するときはなんともなかったのに!ワシのご自慢のゼンハイザー(ドイツ製。さりげなく自慢)のヘッドフォンが!
音楽を聴きながら見知らぬ街を歩く。これ、ワシが一人旅するときに必ずやること。旅の楽しみ。
それができない。。。
知らない土地、見たことのない風景、耳からはその自分がいる空間の雑音を遮断し、自分がセレクトした音楽が流れる、いわば未知の土地の空気と自分だけの世界のコラボレーション。
これたまらん!感性がびんびん反応する。いろんな思考が頭を駆け巡る。
生きてる喜びを痛感する。
でも、できないの。。。
か、かなすいい。。。
泣きそうだった。
この期に及んで!なんてことを!
仕方ない。
午前中現地のスーパーマーケットに行く。
その名も「ラ~マ・ヤナ」あれ?「マ~ラ・ナヤ?」どっちやったかいな?
とにかく行く。
入り口の広い空間には現地では「ナウでヤング」なピカピカバイクがディスプレイしてある。
ダサかっこいい。これ、スーパーカブを下品にマイナーデコレートしただけだぞ。
ちょっと鼻で笑いながらバイクを眺めてみる。
お、ホンダや!こんなところでもホンダ、がんばってるね~。お!こっちにはYAMAHA!
すごいぞ日本企業!世界を股にかけてがんばるわれらがじゃぱに~ずかんぱに~!
すばらしい。
決して日本で販売しても絶対売れないホンダのバイクを眺める。
一瞬目を疑う。
名前がね。名前がよ。
「HONDA SUPRA(ほんだ・すーぷら)」
スープラって、世界の巨人トヨタの車(今は廃盤)の名前やん。
パクってる?
パクってるがな。世界のホンダさん。世界の巨人にあやかってるのかわからんが、パクってるやん。いいのか?これでいいのか?世界を股にかける日本企業よ!
ホンダ・スープラって!ありなの?
ちなみにこの話を帰国後、妹夫婦に話したところ一切信じてくれなかった。
ほんとだってば!ほんとにホンダスープラって名前のバイクがあるんだよ~!
いいよ。別に信じてくれなくっても。ちぇっ!いつかオレの前に土下座して謝ることになるだろうよ!ふん!ざまあみさらせ!くすん。。。
波乱に満ちた一日が終わり、どうにか異国の地で無事一晩過ごす。
ああ、ここはバリ。いまだ自分が異国にいるという実感がない。
このホテル、各部屋の前には小さいテーブルとベンチがある。


ぼんやりした頭で部屋を出て、このベンチに腰をかける。
いい天気だ。
小鳥のさえずりの代わりに激しく往来するバイクサウンド。。。
おいしい空気は排気ガスのかほり。。。
ああ、ここは南国、バリ島、ビューティフルサンデー!
すばらしい。
程なくして朝食が運ばれてきた。
気が利くね~。いいタイミングやん。
目の前に昨日たのんだ朝食が置かれる。
はて、今何時だろう。時間を確認する。
7時前。
あれ?
ずいぶん早起きをしてしまったもんだ。
まあ早起きは3モンのトク。今日はいい一日になるぞい。むふふ。
とにかくアサメシでもいただこうかね。
波乱に満ちた一日が終わり、どうにか異国の地で無事一晩過ごす。
ああ、ここはバリ。いまだ自分が異国にいるという実感がない。
このホテル、各部屋の前には小さいテーブルとベンチがある。


ぼんやりした頭で部屋を出て、このベンチに腰をかける。
いい天気だ。
小鳥のさえずりの代わりに激しく往来するバイクサウンド。。。
おいしい空気は排気ガスのかほり。。。
ああ、ここは南国、バリ島、ビューティフルサンデー!
すばらしい。
程なくして朝食が運ばれてきた。
気が利くね~。いいタイミングやん。
目の前に昨日たのんだ朝食が置かれる。
はて、今何時だろう。時間を確認する。
7時前。
あれ?
ずいぶん早起きをしてしまったもんだ。
まあ早起きは3モンのトク。今日はいい一日になるぞい。むふふ。
とにかくアサメシでもいただこうかね。
バビグリン
これ。
これだよ。これ。
渡航大冒険で疲れきっていたワシの”はあと”を激しく燃え上がらせたニクイやつ。
食いもんですけどね。
子豚さんの丸焼きで、それを小分けにしてご飯やらなんやらかんやらごにょごにょ。。。説明がつかんので割愛するが、つまりこれです。

なんやこれ?
ぼけぼけや。
しっかりしてくれ、お守り代わりに持っていってたオヤジが若いころに使ってたカメラよ。
とにかくうまかったのであった。
結局帰るまでの毎日必ず1回は食することになる。
この緑のつぶつぶ。これがまた辛い。日本でよくある「ピリカラなんとか」なんてはなくそレベルさ。
かなりのボリュームがあったのだが、小生、えさを与えてもらってなかった犬のようにがつがつ食す。
冷えていないビンタンをものともせずひたすら食う、食う、食う。
「う!うまい!」「辛い!」「くさっ!」
食べてる間にこのような形容を挟みながら完食。
人と無事合流してからというもの、
自分は金魚のフン状態。
茫然自失。腑抜け。バカ。
だもんで、ホテルに到着。
当日チェックインでも宿泊できるこのテキトーさはすばらしい。

ホテルちあんじゅ~る。
愛すべきホテル。
フロントでパスポートを出せときたもんだ。
え?うそ?なんで?ちょっと。。。
かなりいぶかしながらパスポートを預ける。
個人情報保護法は?ちょっとやばいんちゃうん???
余計な心配事ばかりが頭をよぎる。
でもフロントのおばちゃん、陽気で明るい。
その人柄に免じて信じよう!オマエイイヤツ!
で部屋に入る。

そこそこいい部屋ヤン?
満足満足。
部屋をいろいろ物色する。
バスルーム。
ドアを開ける。
そこには戦慄の光景が。。。
しばし固まる。
ついにバリに着陸する。
やっとついた。
海が。。。海が近づいてくる!
お!お!落ちるんちゃうん!
ちょっとちょっとちょっとやばいって!
まじで!ちょっとやめて~!たすけてー!
し、新聞に載るかもー!
顔は一応冷静を装っていたものの心の中はそう叫んでいた。
そんな風に動転してると「どん!」と。
あ、無事に着陸したのね。
窓の外には5年前見た風景となんら変わらない光景が広がる。
あの時はみんなと一緒だったから、なし崩し的にバリにきたもんでらくちんであった。
何も考える必要もなかった。言われるままにほいほいついていってただけだったからな。
ただし今回は状況が違う。
齢37にして初めての単独海外渡航。初めてのお使いにでてくる子供たちと同じレベルか、それ以下か?
ともあれ、飛行機から降りる。
降り立った瞬間、5年前の記憶がよみがえる。
「窒息する」くらい暑かったあの記憶。
が、
今回いささか拍子抜けしてしまった。
現地時間午後4時。
意外なほど涼しい。確かに日本よりシツド~ンが高いが、かなり涼しい。
後で聞いた話だが、ここバリも近年異常気象らしい。
そんなことはさておき、ここからがまた問題。
ど、どうしたらいいの???
と、とにかく他のお客さんのあとついていこう。。。冷静に冷静に。
他の人がどうするか見ればわかるだろうと思っててくてく歩いていくものの、気がつけば自分が一番先頭を歩いていた。自分の前に誰もおれへん。
ちょっとまて!これはやばい!
あまりに伽藍とした空港内を歩きながらペースを落としたり、何か探すフリして立ち止まったりして他の人に自分を追い越してもらおうと姑息な作戦に打って出た。
作戦は見事成功。
これでお手本ができた。そう思うとほんの少し落ち着いた。
ちょっと周りを見る余裕ができたのできょろきょろしてると日本語の看板が目立つ。
しかしだ。
しかし、5年前にきたときはもっと空港内にぎやかだったような記憶がある。
テロの影響か?あまりに静かだぞ。雰囲気がひんやりしてるのよ。
ともあれ、最初の関門、到着ビザか?
パスポートからチケットやら出国カードやら10ドルやら、とにかく一式を窓口に放り出してやった。
何やら窓口のお姉ちゃんが言ってるがわからん。軽く動揺。
次の関門、入国審査か?ようわからん。
とにかく人が並んでるところに何気に並んでみる。
順番がきた。半分くらい気を失ってる。
握り締めていた書類一式を震える手で渡す。
なんかパスポートにバンバンハンコついとる。
その時ふと気がついた。
机のふちに火のついたガラムが置いてあった。
こ!こいつら!タバコ吸いながら入国許可しとる!
しかも灰皿というものを使わんと、机のふちに火がついたまま置いとる!机のふちに!
な、なんかすごくむかついてきた!
それどうすんねん!お前ら!吸殻は地面にポイか?おう?こら!ちゃんと仕事せえやぼけ!
なんてこと気弱なすけべ男の自分はよう言えません。
こっちを見ることなしにパスポートを「ほらよ」とばかりに返しやがった。
ちっくしょお!てめえ~!こんな迷える子羊に対してなんて無愛想な!
まあええわ。けったくそわるい!なんて思いながら出口を探す。わからへん。。。
ってその前に荷物ピックアップすることをすっかり忘れてた。
まじやばかった。本気で蛇行スーツケースのことは忘れてた。
無事ヘナチョコスーツケースをピックアップし、にじり寄るポーターたちを撃退し、いよいよ外に!
外に、外に。。。。あれ、出口わからへん。どこ?どうしたら?へ?あれ?
蛇行君を押しながら何か全然違う方向へ歩いていってしまった。
うつろな目で振り返ってみると、ずっと向こうにある出口に人が並んでた。
あ!あそこが出口ね!と気がついたとき自分は空港ロビーの一番端っこにいた。
たまたま目の前にトイレがあったので「トイレにきたのだよ~ん」とばかりに用を足すフリをした。
な!情けない!
ワシ、出口のすぐ前を一直線に横切っていってたんだ。。。
たぶん出口の人間は「なんや?こいつ」って思っていたに違いない。
出口で「かばんあけますね?」と日本語できたもんだ。
もう好きにして。
荷物チェックも無事完了。
やっとシャバの空気が吸える!
しかし!しかしだ。ワシには迎えがない。
空港の外に出る。
そこにはJTBだのHISだのおなじみ日本の旅行会社のお出迎えをする現地人がたくさんいる。
ワシひとり。心細いことこの上ない。
もうなんでもいいから「バリ王」の札持ったヤツに適当に嘘ついてホテルに連れて行ってもらおうかと真剣に考えた。
空港で人(誰?まあええやん)と合流することになってたんだが、いないがな。。。
どうしよう!どうするのよ!オレ!
とりあえずベンチに腰掛けてタバコを吸うことに。頭は真っ白。手はやはりぷるぷる状態。
6時間禁煙の後にタバコ吸ったせいで倒れそうになる。
ふと気がついた。
ワシ、関空でケータイレンタルしたやんか。肝心なこと忘れてた。
震える手で電話をかける。
その間、現地のモグリのタクシードライバーに声かけられる。
「あう。。あ、あいむうぇいちんぐふぉー。。。の~の~」とテキトーな英語で対処。
電話が繋がった!
全身の気が抜ける。
マジで泣きそうになった。
救われた。神様!
帰国後、案の定、体調不良に。
風邪をひき、腹はくだるわ吐きそうなるわで大変でした。
やっと体調が改善してきた。
で、単独渡航日記を書く気になった。
まず8月25日、あたふたと関空へ。
妹に借りたスーツケースはキャスターが壊れていたため、なかなか言うことをきいてくれない。
しかもローマ字で名前シール貼ってやがったりする。ワシは男の子だぞ!恥ずかしいこと、この上ない。
あっちへふらふら、こっちへふらふらと。蛇行するスーツケースをなだめながらまずドコモのカウンターへ。
海外で使えるケータイをレンタル。
本体を壊したり紛失したら6万円かかるとの話にビビリる。
H.I.S.のカウンターでチケット交換。
で、チャックインカウンターへ。
しかし、えらい行列ができている。
仕方ないし、行列に参加する。
やっと荷物チェックしてカウンターにいったものの、インドネシアガルーダ航空は客がだれもいない。
隣の方のカウンターがばば混みしてる。
結局俺、スペインかどっかの航空会社のチェックイン待ち行列に参加していただけだったのね!
気がつけば出発時間が迫ってた。
とりあえず暴れん坊のスーツケースを預ける。
さて、問題はここから。
どうしていいものやらわからない。
すでに手が震えてる。
出発口に入っていって、金属探知機だな。気がつけば、おいらの「半ズボン」のぽけっとにゃうなるほど小銭とか鍵とか、貴金属でない金属が満載されている!
「あ。。。先に行ってください。」と列から外れ、ポケットをまさぐる。
自分なりに金属系のものをまとめた上で探知機通る。
無事通過。
ほっとした!もし引っかかったりして、別室に連行され尻穴までチェックされた上、激しい拷問をされる羽目になったらどうしようかとビクビクものでした。
次に出国審査(?)
氷のような表情をした姉さん(ワシよりたぶん年下)にパスポートはじめ、一式を渡す。
「メガネはずして」と無愛想にきた。
普段冷静な時なら「あのな、人に物を頼むときって言い方ってえもんがあるんちゃうんかえ?おう?」と心の中で説教たれたりするんだけど、そのときワシは完全にあっぷあっぷの状態で、「あ、はい。。す、すんません。。」と心にも無い反応をしてしまった。
そこも無事通過。とりあえず尻穴チェックと拷問は免れたわけだ。
7番ゲートに向かう。
シャトルに乗るものの、ほんとにこれであってるのか?気がかりで仕方なかった。
もう飛行機乗る前から地に足が着いてない。
搭乗口までついてとりあえず自分を落ち着かせるため、一服しようと喫煙所へ。
タバコ持つ手がぷるぷるしてる。
火をつけた瞬間「インドネシアガルーダ航空ご利用の皆様。ご案内いたします。」とトランシーバー片手にキレイなおねえちゃんが呼びかけにきた。
気がつけば出発10分前になってるではありませんか。
落ち着けようとしたが、逆に動揺が激しくなる。
結局タバコは火をつけて、一口吸っただけで終わった。
搭乗口から飛行機に向かう道すがら、自分は半分気を失いかけていた。
チケット渡してゲートを通るときの「行ってらっしゃいませ」の言葉は何一つ慰めにもならなんだ。
「もう。。助けて。。ごめんなさい!」という気持ちで飛行機に乗り込む。
必死のパッチで自分の席を探し当て、着席。
頭は中を舞うどころか、宇宙をさまよってる。
程なくして機体が動く。
次にこれから降りるときは異国なんだ!言葉わかれへん!ボラれたらどうしよう!おなかこわしたら。。。といちいちしなくてもいい考えがたくさん頭をめぐる。
と、そのつまらぬ心配事でぱっつんぱっつんになってるといきなり飛行機が加速した。
「え?え?え?え?」
体が斜めに傾く。地上の景色がみるみる小さくなる。
飛んでしもた。
「ワ、ワシ!シートベルトしてへん!」
もうどうしようもない。
視界が白くかすんでゆく。。。
約10分後、ようやく、心が落ち着き始めてきた。
ここまでくるのに本当に必死だった。
自分的には川口浩なみの大冒険をしたと思っている。
で、
気がつけば、自宅から空の上まで、一枚も写真を撮ってない。
カメラ握り締めてたのに(ほんとに握ってた)何も撮ってなかった。
気がつけば、関空ついてから2時間ほどの間、ヘビイスモオカアの自分が吸ったタバコはたった一口。
これから6時間ばかりの禁煙タイム。考えると絶望的な気分になる。
トイレのアッシュトレイが憎らしい。
ちくしょー!飲んでやる!とビンタン連発発注。
しかし、心労のため3本でギブアップ。
微妙に気持ち悪くなりながらひたすら窓の外を眺める。
あの世に来たのかな?と思えるくらい空はきれいだった。
窓からは飛行機の翼とエンジンが見える。
エンジンにはロールスロイスのマークが!
ちょっと感動した。
